2019年9月29日『原発事故の損害賠償と健康被害を考えるシンポジウム』@郡山を開催いたしました。
「原発事故被害者の救済を求める全国運動」として、福島で行う集会は久しぶりです。
全国運動の集会はいつも密度が高い集会ですが、今回も13:00〜16:30までみっちりと詰めこまれていました。
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主催者挨拶 佐藤和良(原発事故被害者の救済を求める全国運動共同代表)
原発事故後8年の損害の実態と中間指針改定、時効延長の必要性
渡辺淑彦さん(弁護士、福島県弁護士会、災害復興支援委員会幹事)
津島訴訟
三瓶春江さん(福島原発事故津島被害者原告団)
東電刑事裁判が問うもの
佐藤和良さん(いわき市議会議員) 海渡雄一さん(弁護士)
原発事故避難をあらためてふりかえる
菅野みずえさん(浪江から兵庫県に避難)
「なかったこと」にされた初期被ばくと甲状腺がん
満田夏花さん(国際環境NGOFoEJapan)
甲状腺がん当事者、家族と集いながら見える不条理
千葉親子さん(甲状腺がん支援グループ・あじさいの会)
モニタリングポスト
片岡輝美さん(モニタリングポストの継続配置を求める市民の会 共同代表)
閉会の挨拶 蛇石郁子(郡山市議会議員)
司会 片山かおる(小金井市議会議員)
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最初に、佐藤和良いわき市議より、全国運動共同代表として、これまでの歩みなどが語られました。
そして、「原発事故後8年の損害の実態と中間指針改定、時効延長の必要性」と題し、福島県弁護士会の渡辺淑彦弁護士から、損害賠償に9兆円かかっている福島原発事故の問題をあぶり出し、原発のコストを示すべきという観点、被害の実態を明らかにし立証する難しさ、避難指示解除後の地域再生の困難さ、避難区域外の賠償の格差など、あらゆる角度から、現場経験に基づく講演が行われました。
津島訴訟の三瓶春江さんの故郷喪失の無念や、浪江から兵庫に避難し、甲状腺がんとなった菅野みづえさんの話を聞くと、津島の避難所での線量の高さが異常だったことに改めて思い至ります。
今回のシンポジウムは、損害賠償と健康被害というテーマに絞りましたが、健康被害の訴えはなかなか立証が難しいと渡辺弁護士は言います。
でも、なかったことではないということ、改めて初期被曝の問題をFoEの満田夏花さんから語ってもらいました。
甲状腺がん患者たちを支える千葉親子さんの話、モニタリングポストの継続を実現させた片岡輝美さんの力強い報告。
東電刑事裁判の判決について、佐藤和良支援団長と、海渡弁護士からの詳細な報告を受け、会場からも損害賠償請求と共に、裁判への質疑が相次ぎました。
郡山市議の蛇石郁子さんからのまとめで終会いたしました。
(片山かおる)